「新商品を取材してほしい」「こういう取り組みをしているから、ウェブメディアで紹介してほしい」と考えているお店や企業はたくさんあります。
その一方で、ウェブメディアに記事を書いている多くのライターは、何か面白いネタはないか、取材ネタはないかといつも探しています。
ということで今回は、取材してほしいお店がライターを探してコンタクトを取り、取材をしてもらうにはどうすればいいか、ということを考えてみたいと思います。
今回のポイント
実際にライターを探してみよう
「誰か取材してくれないかなー」と待っていても取材はきません。まずは、取材してくれそうなライターを探すことから始めましょう。探し方のヒントをいくつか紹介します。
ライターを探す前に知っておきたいこと
特にライター探しの前に、知っておいてほしいことがあります。それは「ライターによって得意なことが違う」ということです。
記事のジャンルはもちろん、どんなメディアと繋がりがあるかも違います。紙のほうが得意なライターもいれば、ウェブのほうが得意なライターもいます。また、住んでいる場所も違います。首都圏ならフットワーク軽く取材に行けるけれども、関西圏はちょっと……という人もいます。特に移動範囲がある程度制限されている今は、住んでいる地域は大きな問題のひとつになるでしょう。
そういうライターごとの個性・特徴は重要です。グルメ系記事が苦手な人にグルメ系のネタを提供しても、取材できない可能性は高いです。取材してもらえる可能性を上げるためにも、ライター探しのときは常に「この人なら取材してくれそうかな」と考えるようにするといいでしょう。
実際、私も何回か「ごめんなさいそれはどうがんばっても私の手に負えません」というような取材の打診を受けたことがあります。引き受けるべきかとても悩んだのですが、引き受けたところで私も取材先も満足いく取材ができないと思って辞退したことがあります(かなり専門知識が必要な内容でした)。
検索エンジンやSNSなどで検索する
一番簡単なのは、SNSや検索エンジンで検索する方法。たとえば「ライター カフェ 京都」みたいに、自分の業種と地域を入れて検索すると結果も絞り込みやすいと思います。
該当するライターが見つかったら、そのSNSやサイトなどをチェック。特にポイントになるのは、制作実績です。制作実績に、あなたのお店や会社に関連する記事があれば問い合わせてみましょう。
同業他社・同業界を取材したライターをチェックする
記事を書いたライターの名前を明らかにしているメディアは多くあります。そこでまずは、メディアに掲載された同業他社の記事を見て、そのライターの名前をチェックしてみるのも方法のひとつ。
同業他社を取材しているということは、あなたのお店・会社の業界ネタが得意ジャンルである可能性も高いです。チェックした名前は、GoogleやSNSで検索して、あとは前項同様に制作実績などをチェックして、問い合わせてみてはいかがでしょうか。
取材されたい人向けサービスを使う
自分で探してコンタクトを取るのは、どちらかというと「攻め」の方法。その一方で、自分で情報を発信してコンタクトを待つ、「待ち」の方法もあります。
たとえば、「取材されたい人」と「取材したい人」が出会えるサイトlook.me(ルックミー)。
look.meは、取材したい人とされたい人のマッチングサービスサイト。取材されたい場合は、サイトに情報を登録しておくといいでしょう。そのうち、取材したい人が見つけてくれるかもしれません。
それから、簡単募集サービスbosyu(ボシュー)も似たようなサービスです。
bosyuは、とにかく「募集」と名のつくものであればさまざまなものが募集されているサイト。人材募集はもちろん、仕事募集、入居者募集、友だち募集(!?)、アイデア募集、先生募集、生徒募集など、さまざまな募集を見ることかできます。
ここに「取材してくれる人募集」と出しておけば、取材したいという人と出会えるかもしれません。
なお、look.meもbosyuもあくまで「出会えるかもしれない」サービスです。マッチングされるかもしれないし、されないかもしれない。あまり過度な期待はしないほうがいいかもしれません。
「ライターが見つかった=取材してもらえる」とは限らない!?
こうやってライターを見つけてコンタクトをとったとしても、あなたのお店や会社が即取材してもらえるとは限りません。
それはなぜか。
ライターは、書きたいネタならなんでも取材して記事にできるわけではありません。記事を書いた以上、当然公開する場(メディア)が必要です。そしてどのメディアも「うちはこういうネタを公開したい」という運営方針を持っています。これに合致していないネタは、ライターが提案しても却下します。私もしょっちゅう企画を却下されています。
では、どうしたらいいのか。
ここで前項のライター探しの話を思い出してください。ライターはそれぞれ、得意なことが違う、これを踏まえて探すといいという話をしましたよね。この話がここにつながってきます。
たとえば、グルメ系が得意なライターは、グルメ系のメディアを複数知っています。地域系ネタが得意なライターは、地域系のメディアを複数知っています。つまり、得意なジャンルであれば、複数のメディアに、そのメディアの特徴を踏まえた上で記事を提案することができるわけですね。複数のメディアに記事を提案できれば、どこかでそれが採用される可能性も高くなります(※)。
もちろん、提案した企画が全部却下されることもあります。私自身、教えてもらったネタを元に企画を立てて提出したものの、新規含めて複数のメディアすべてに却下されたということがありました(これは私の企画の立て方が悪かったという理由もあると思います)。
なので、これはあくまで「可能性が高くなる」程度に考えてください。必ず取材してもらえる、という意味ではありません。
なお、取材される確率を上げたい場合には、この本が参考になるかもしれません。テレビに取り上げられる方法についてというテーマの本ですが、ウェブメディアに取り上げられてほしいときにもいろいろ応用できそうな話が多く書かれています。特に「第3章 どうすれば、タダでテレビに取り上げられるのか」は非常に参考になると思います。あと、「第4章 中の人だからわかる、「テレビ取材の確率」を高めるアプローチ術」も参考になるのではないでしょうか。興味があれば、ぜひ。
※実のところ、ライター側から言うと「複数メディアに提案すればどこかで書かせてもらえる可能性は高くなる」というのはちょっと乱暴な言い方です。だけど今回はあくまで「取材されたい人」向けに書いているので、このあたりはあえてこう書いておきます。
とにかくまずは探すことから始めてみるのが大事
お店や会社が「取材されたい!」と思ってライターにアプローチしても、必ずしも取材されるとは限りません。だけど、だからといって何もしないというのはもったいない話ではないかな、と思います。
だからまずは、取材されたいと思うなら、ライターにアプローチしてみること。その結果がどう出るにせよ、この最初の一歩を踏み出さないと、何も起こらないのではないかな、と思います。