インタビュー記事作成の準備・取材・書き方のポイント

インタビュー記事作成の準備・取材・書き方のポイント

社員・スタッフに取材し、その声を自社サイトや採用(リクルート)サイト、社内報に載せたい。お客様のインタビューを事例集としてサイトに掲載したい。こういう企業も多いでしょう。

インタビュー記事については、フリーライターなどの慣れている人に任せてしまうのが一番楽だと思います。しかし事情により広報部や総務部などの社員が内製しなければいけないこともあるでしょう。

そこで今回は、私がしているインタビュー記事の準備・取材・書き方のポイントをお伝えします。「インタビュー記事を作ってよ」と言われた広報部や総務部の方の参考になれば幸いです。

>> インタビュー取材の申し込みについてはこちらの記事でまとめています

ステップ1:インタビューの質問事項をまとめる

まずは、インタビューで聞きたいことをまとめます。

とはいえ、初心者のうちは何を聞くべきか見当もつかないこともあるでしょう。質問を考えるときは、以下の2つの支店から考えるとスムーズで、失敗も少なくなります。

質問を考える視点その1:伝えたいこと

インタビューの質問は「伝えたいこと」から考える

まずは「インタビューを通じて伝えたいこと」という視点から考えます。

特にお客様の声や事例紹介を作成するときはこの視点が重要になります。

・なぜ自社のサービスが選ばれたのか
・顧客は自社のどこを評価しているのか
・自社のサービスの何が顧客の役に立っているのか
・自社のサービスを導入した結果顧客にどのようなメリットがもたらされたのか

おそらく会社としては、こういったことを伝えたいはずです。

ということは、取材相手には上記のようなことを質問しなければいけません。

質問を考える視点その2:読者が知りたいこと

取材の質問は、読者が知りたいことから考える

続いて、読者が知りたいことを考えます。

たとえば、求人(リクルート)サイトに掲載するインタビューを考えてみましょう。リクルートサイトを見る読者は、何を知りたいと思ってその記事を読むのでしょうか。

・どんな人が働いているのか?
・どのような仕事をしているのか?
・どのようなスキルが活かせるのか?
・入社後、自分はどのようなキャリアが積めるのだろうか?
・結婚出産を経ても働き続けられるか?

などなどの疑問が考えられると思います。

ということは、これを踏まえた上で質問を作ればいいわけです。

質問はいくつくらい考えておけばいい?

質問はいくつくらい考えておけばいいかという話ですが、これはインタビュー時間によります。

私の場合、だいたい5~8程度です。10考えることはあまりありません。これは、後述する「相手と共有する」ことに関連があります。

ステップ2:インタビューの質問を共有する

質問リスト

インタビューですべき質問を考えたら、質問シートを作成して相手と共有します。

これは、当日の話をスムーズにすると同時に、相手に質問内容を伝えて準備してもらったりするという目的があります。

先ほど質問はだいたい5~8程度、10考えることはあまりないという話をしたのは、これに関連しています。「インタビューさせてください、当日聞きたいことはこれです」と事前に連絡したときに、質問が10程度あればおそらく相手は驚くのではないかな、というのが理由です。

インタビューに対し緊張してほしくないため、質問の数は少なめにしておきます。そして当日会話の流れでより細かな話を掘り下げていくようにしています。質問シートもA4の紙1枚、せいぜい2枚に収まる程度のボリュームです。

ひとつ気を付けているのは、「~ですか?」という質問だけを共有しないこと。極力、「こういうことを伝えたい/読者は知りたいだろうと思っているので、この話を聞きたい」とひとこと添えるようにしています。質問攻めにされるのは誰だって緊張するものです。意図を伝え、緊張をほぐすようにしたいと思っています。

ステップ3:当日は質問シート持参で聞き漏れをなくす

取材時は質問リスト持参で

いよいよ取材当日です。取材当日は、事前に質問シートを忘れずに持って行きましょう。私の場合、質問シートにさらに事前に整理しておいた情報やさらに聞きたいことを書き込みむこともあります。

質問シートを持参するのは、聞き漏れをなくすためです。インタビュー相手も事前に教えてもらったとおりの質問がくるので安心して答えることができるでしょう。

中には、インタビュー相手が質問シートにびっしり答えを書いて用意しているときもあります。メモレベルどころかちゃんと文章で用意して、質問するとそれを読み上げて答える、という人もいらっしゃいました。比較的年齢も若く、話に慣れていない感じの方だったので、きっちり用意しておかないと緊張していたのでしょう。

ちょっとびっくりしましたが、その様子に改めて、事前に質問シートを共有しておくことは大切だと感じました。

インタビュー時は録音も忘れずに

インタビューをするときには、忘れず録音しておきましょう。ICレコーダーを購入するのはもったいないという場合は、スマートフォンの音声録音アプリで十分です。

インタビューの録音については、以下のブログでも書いています。

ライターであれば有料アプリのNottaがおすすめですが、社員の方が社内でインタビューをされる場合は、無料のCLOVER Noteでも十分でしょう。自動で文字起こしをしてくれるのでかなり助かります。

ただし、できるかぎり複数の端末で録音をしておくことをおすすめします。ICレコーダーが準備できれば、ICレコーダーとスマホ(CLOVER Note)の2台で録音しておくと安心です。

取材のメモはどう取る?

取材のメモは、私は最近はほとんど取りません。以前はメモを取るようにしていたのですが、メモを取りながら話を聞くというのがどうも苦手なので、メモは録音しているからいいやと割り切って、話に集中しています。

ただし、固有名詞や数字などが出てきたときは話は別。これはメモを取っておくようにしています。

ステップ4:取材音源を文字起こしして記事にする

取材音源を文字起こしする

取材が終わったら、音源を文字起こしして記事にまとめます。

ただ、この「文字起こし」がとても面倒。CLOVER Noteなら自動的に文字起こしができるのでかなり楽だと思いますが、それでも万全ではありません。ざっと録音を聞き直して、自動文字起こしの文章を修正しながら完成させます。

文字起こしが完成したら、内容を読み返して記事を作成していきましょう。

可能な場合は生成AIを補助的に使うのもあり

可能な場合は、不完全でもいいの自動文字起こしをした文章をChatGPTなりClaude3なりに読み込ませて「要約して記事を作成して」とたたき台をつくるのもありです。私はそうすることもあります。

ただ、もちろん生成AIに頼んだら一発で完成稿が作れるわけではありません。あくまでたたき台として作り、自力で完成させていく過程は必要です。

生成AIを使うケースについてはこちらの記事でも書いています。

記事化だけ外部ライターに任せるケースもあり

記事作成だけプロのライターにまかせる

私の場合、たとえば広報部の社員が営業部の社員にインタビューした音源を元に記事を書くような案件も何回かしたことがあります。

ライターによっては、音源から文字起こし、記事化までという一部分だけでも対応する人がいます。

もし「社内インタビューまでは自分たちでするけれども、文字起こしと記事化は誰かにまかせたい」という場合は、一度ライターを探して相談してみてはいかがでしょうか。

もちろん、私も対応できますよ。

ライターの探し方がわからない場合は、このような方法で探してみてはいかがでしょうか。

双方安心できる段取りでインタビューを成功させよう

安心できる段取りでインタビューを成功させよう

インタビュー記事を内製する場合は、インタビューするほうもされるほうも慣れていないことがほとんどです。そんな中で少しでもいいインタビューをするには、お互いが安心して話せる環境を整えることが大事。「なんのために、どんなことを話すのか」をしっかり共有しておくようにすると、落ち着いてインタビューしやすくなります。

個人的には、社内スタッフがインタビューをすると、互いにしかわからない話が出てテーマが掘り下げられることがあるので、決して悪くないと思います。むしろ、外部ライターにはできないいい記事になるなーと思うことすらあります。

とはいえ、内製はやっぱり難しい!となったときは、プロのライターにご相談くださいね。

インタビュー記事作成についてのお問い合わせはこちら

About This Author

鶴原早恵子
京都在住フリーライター。SEO記事から取材・インタビュー記事まで作成。取材可能範囲は関西中心に、全国・リモートも対応いたします。鉄道・お出かけ系記事の場合は写真も自分で撮影可能。鉄道好きなのに乗り物酔い体質なのが悩みのタネ。

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