社員・スタッフにインタビューを行い、その声をコーポレートサイトや採用サイトに載せたい。そういう企業は多いことと思います。また、事例集としてお客様のインタビューをサイトに載せたい。こういう需要も多いことでしょう。
ところが、こういったインタビュー記事を内製、つまり社内で作ろうとすると、それが結構難しい。というが、インタビューをする側もされる側も慣れていないことがほとんどだから、何を聞いたらいいのか、何を話したらいいのかわからないからなんですね。
ということで、今回は社員・スタッフやお客様のインタビュー記事を内製する場合のポイントをまとめてみました。
今回のポイント!
ポイント1 まずは2つの視点から、インタビューの目的と内容を考える
まずしておきたいのが、2つの視点からインタビュー記事の目的を考えることです。
会社目線から:何を伝えたいのか?
まずは、会社目線から、伝えたいことを考えます。
たとえば、採用サイトに掲載するために社員何人かにインタビューするとしますよね。採用サイトである以上「閲覧者が会社に興味を持ち、問い合わせる」というのがこのサイトの目的です。
ということは、「この会社はこんなにいい会社だよ」というの、手を変え品を変えアピールしなければいけません。
たとえば、若い人たちが中心になっている会社であれば、入社してからの年数が比較的浅い人たちにインタビューしたほうがいいかもしれません。
定着率のよさ、仕事のやりやすさをアピールしたいのであれば、ある程度ベテランの社員に登場してもらうと説得力が出るでしょう。
女性も活躍しているというのをアピールしたければ、女性社員の登場は必須。結婚・出産を経ても働いている女性社員に働きやすさを語ってもらうと、女性も安心して応募してくるかもしれません。
読者目線から:何を知りたいのか?
次に、求職者は何を知りたいのだろうかと考えます。
たとえば、仕事内容。どんな仕事をしているのか、それはキツくないか、ノルマは厳しくないか、残業は多いのか。その業界ならではのやりがいや、あるいは苦労はなんだろうか。こういったことを、求職者は知りたいはずです。
また、キャリアパスについても知りたいと思っていることでしょう。たとえば、入社後はどんなふうにキャリアアップしていけるのか、社内の研修は充実しているのか、社外研修や講座に参加した場合、その受講料などは会社に負担してもらえるのか、資格取得のインセンティブはあるか。
それから、待遇ももちろん重要ですよね。たとえば、育休制度がどれだけ充実しているか。男性も育休が取れるのか、取得率はどれくらいか。地方から出てきている人であれば、家賃補助制度があればとても助かるでしょう。
こういったことは、インタビュー記事以外の場所に記載するから必要ない、という意見もあるかもしれません。しかし、前述の内容とややかぶりますが、特にアピールしたいことであれば、実際の社員の口から語ってもらったほうが求職者は安心するのではないかと思います。
たとえば、待遇欄に「育休制度あり」と書かれているのと、実際に男性社員が名前と顔を出して「実は、当社は男性社員も育休を取りやすいんです。僕も取りました。子育ての大変さを実感したのと同時に、子育てにより積極的に関わりながらも仕事ができる、この環境をありがたいと思っています」と語るのと、どっちがより相手に伝わると思いますか?
ポイント2:事前に、インタビューの目的と内容を相手に伝えておく
さて、インタビューの目的とその内容を決めたら、事前に相手に「こういう目的でこういう内容の話を聞きたい」と伝えておきます。私の場合、A4の紙1~2枚に収まる程度の質問シートを作って共有しておきます。
質問シートを共有する最大の理由は、「インタビュー相手が当日焦らないように」です。
予想していなかった質問がくるとびっくりして、言葉に詰まってしまう人は珍しくありません。インタビュー相手にとってもこちらにとっても、時間は貴重です。せっかく割いた時間をできるかぎり無駄にしないよう、事前に質問を共有しておくとスムーズにインタビューを進めることができます。
そしてそのとき、軽くでいいので質問の意図も伝えておくのがベター。もしかしたら、相手にとっては「なんでこんなことを聞くのだろう?」と思うような質問もあるかもしれません。そんなときに、ひとこと「こういうことを伝えたい/読者は知りたいだろうと思っているので、この話を聞きたい」と添えておくと、相手も安心しますし、答えやすくなります。
ポイント3:当日は、質問シート持参で聞き漏れのないように!
インタビュー時には、事前に共有しておいた質問シートを持参しておきましょう。それを見ながらインタビューをすると、質問の聞き漏れが防げて安心です。また、インタビュー相手も、事前に教えてもらったとおりの質問がくるので安心して答えることができます。
中には、インタビュー相手が質問シートにびっしり答えを書いて用意しているときもあります。メモレベルどころかちゃんと文章で用意して、質問するとそれを読み上げて答える、という人もいらっしゃいました。比較的年齢も若く、話に慣れていない感じの方だったので、きっちり用意しておかないと緊張していたのでしょう。ちょっとびっくりしましたが、その様子に改めて、事前に質問シートを共有しておくことは大切だと感じました。
インタビュー時は録音も忘れずに
最後に。インタビューをするときには、できるかぎり録音しておきましょう。わざわざ買うのがもったいないという場合は、スマートフォンの音声録音アプリでも大丈夫です。
なお、経験から言うと、スマートフォンでの録音はICレコーダーと比べると音質がいまひとつ良くないので個人的には避けています。心配なようであれば、事前に実際自分と誰かの会話をアプリで録音してみて、きちんと録音できるか、音質に問題はないか確認しておくといいでしょう。
録音データは、記事を作成するときに必要に応じて聞き返します。また、あとあと言った言わないのトラブルになったときにも証拠として役立ちます(幸いなことに、私はそういったトラブルになったことはありませんが)。
慣れていない者同士だからこそ、安心できるように段取りを
インタビュー記事を内製する場合は、インタビューするほうもされるほうも慣れていないことがほとんどです。そんな中で少しでもいいインタビューをするには、お互いが安心して話せる環境を整えることが大事。「なんのために、どんなことを話すのか」をしっかり共有しておくようにすると、落ち着いてインタビューしやすくなりますよ。
そして、内製はやっぱり難しい!となったときは、プロのライターにご相談くださいね。