ライターは本名ですべき?顔は出したほうがいい?

ライターは本名ですべき?顔は出したほうがいい?

先日、ライター仲間と「これからライターになる人は、本名かペンネーム(ビジネスネーム)のどちらで活動したらいいか。アイコンは自分の写真かイラストかどちらがいいか」という話をしていました。

そのときに考えたことを、ちょっとまとめておこうと思います。

正直なところ、どっちでもいい

結論は「どっちでもいい」です。

まず、ライターの活動における名前とアイコンのパターンを、大きく以下の4つに分けます。

・本名×顔出し
・本名×非顔出し
・ゆるいライターネーム×顔出し
・ゆるいライターネーム×非顔出し

※「本名」には、「本名のように思えるライターネーム」を、「顔出し」には「似顔絵」を含みます

正直なところ、「ライター」とひとことでいってもその専門範囲はさまざまです。SNSで「ライター」と検索しても、スーツなどのかっちりした写真と本名で活動している人もいれば、顔も出さず、ゆるいライターネームで活動している人もいます。

たとえば、「本名×顔出し」は私はじめ様々なライターさんがいます。しかし、「本名×非顔出し」で活動しているライターさんもたくさんいらっしゃいます。『つけびの村』などを書いていらっしゃる高橋ユキさんなんかもそうですね。

「ゆるいライターネーム×顔出し」なら、たとえぱ人気ライターさんのヨッピーさんがこのパターン。「ゆるいライターネーム×非顔出し」なら、やはり有名ライターのpatoさんがこのパターンです。

「本名(っぽいビジネスネーム)×顔出し」は信頼感あり

信頼度を高くしたいなら、「本名(っぽいライターネーム)×顔出し」がベストです。

特に将来、ビジネス系の取材をしたいならこのほうがいいと思います。なぜなら、取材はどのような立場の人にするかわかりません。中には経営者など、それなりの社会的地位がある人にインタビューを申し込むこともあります。

このとき、「つるちゃん@WEBライター」という名前でアイコンが犬の写真のライターから申し込まれるのと、「鶴原早恵子」という名前で自分の顔をアイコンにしているライターから申し込まれるのと、どちらがいいでしょうか。

また、メディアによっては本名もしくは本名のように思える名前でないとNGというところもあるそうなので、それを考えると最初から本名×顔出しで活動したほうがいいでしょう。

「本名(っぽいビジネスネーム)×非顔出し」も信頼感あり

ただし、本名×顔出しに抵抗を感じる人は多いでしょう。顔出しは身元が特定されやすく、いくら仕事に必要といえどもそれは避けたいという人は、特に女性の方には多いと思います。

そのようなときは、アイコンを非顔出しして、身元特定リスクを下げるといいのではないでしょうか。

アイコンが非顔出しのアカウントはビジネス系のアカウントにもそれなりにいるので、非顔出しだからといって信頼度が下がることはあまりないかと思われます。

「ゆるいライターネーム×顔出し」もメディアによってはあり

本名っぽいライターネームでないとNGなメディアがある一方で、ゆるいライターネームでもOKなメディアも多くあります。わりとエンタメ系なメディアにはこのようなところが多いように感じます。

そのようなメディアを中心に活動していきたいなら、「ゆるいライターネーム×顔出し」もあり。

ただ、「顔出し」については、最近はAI絵に対する反発が大きいので、AIでそれっぽい似顔絵などの画像を作成するのはやめたほうがいいと思います。無料で使える似顔絵作成アイコンメーカーなどがあるので、そういったものを利用したほうがいいのではないでしょうか。

「ゆるいライターネーム×非顔出し」でもなんとかなる

ゆるいライターネームと非顔出しでも、ライター(クリエイター)ならなんとかなります。活動するジャンルなどによってはそれで十分です。

超有名ライターさんなのですが、マフィア梶田さんなんかもそうですよね。非本名×非顔出し(メディアに出る時にはいつもサングラスを掛けていらっしゃるので)ですが、ライター業だけでなくマルチタレントとしても活躍しています。

また、SNSにいるライターさんの中には、実は陰では本名でバリバリ活動しているけれども、情報発信だけはわけあって非本名×非顔出しでやっているというケースもありますね。

ゆるいビジネスネーム×非顔出しは信用されにくい?

ゆるい名前で非顔出しだと信頼されにくいと思われがちですが、私はライター(クリエイター)についてはそういうことはないと思います。

なぜなら、クリエイターにとっては成果物がすべてだからです。

それに、クラウドソーシングサービスやココナラなどを見ると、ゆるい名前と非顔出しで活動していて、稼いでいるライターの方もたくさんいらっしゃいます。こういったフィールドを中心に仕事を得ていくなら、別にゆるい名前と非顔出しアイコンでも問題はないでしょう。

繰り返しますが、自分が将来どういうライターになりたいかを考え、そして、目指すライターはどういう組み合わせで活動しているのかを参考にして、自分で決めるのが一番です。

悩んだら、書きたいメディアのライターや憧れのライターを参考にしよう

じゃあ、自分はどうしよう?と思ったら、「いつかはこういうメディアで書きたい」という憧れのメディアのライター欄などをチェックすると参考になるでしょう。

メディアで書きたいわけじゃない場合は、「こういう人になりたい」というライターさんを何人かSNSでフォローして、名前や顔出しの有無をどうしているか確認するといいと思います。

ライターは、どのようなライターになりたいか自分で考え、キャリアを積み立てていき、自分を売り込んでいかなければいけません。将来的にビジネス系のメディアに営業をかけたいと思っているなら、ビジネス系のメディアで採用されるような活動を積み上げていく必要があります。

「本名×顔出し」と個人特定リスク

ただし、「本名×顔出し」には個人特定リスクがあります。そのため、不特定多数に個人を特定されるような情報を出したくないという人もいるでしょう。

私の知っている人の中にも、当初は「本名×顔出し」でしていたけれども、個人特定されてストーカーが生まれたので「ビジネスネーム×非顔出し」に切り替え、特定されるような情報はすべてSNSやブログ、ネットに出さないようにしているという人もいます。

特に近年は、ちょっとしたことで炎上したり誹謗中傷を受けたりするリスクがありますから、極力リスクを下げたいという人もいるでしょう。女性の方や、男女問わず小さなお子さんがいる方(親が特定されると子も特定されます)などは、個人特定されるのは嫌だという人がいるのは十分理解できます。

その場合は、本名を避け、ビジネスネームを使うといいでしょう。

非本名×非顔出しで個人特定リスクを下げるときに気を付けたいこと

非本名×非顔出しなら個人特定のリスクはゼロ、というわけにはなりません。

個人特定リスクを避けたいなら、SNSやブログなどで発信する情報内容にも配慮が必要です。窓から見える風景から自宅を特定されたり、SNSにアップする写真から行動範囲を特定されてそこからさらに個人情報掘られたり……ということもあります。

よくTwitter(X)でも「ゲリラ豪雨すごい!」みたいな一言でも、その時間にゲリラ豪雨が降った地域を調べることで家がある地域がある程度特定できる、と言われますね。雪が降ったとき「雪がこんなに積もった!」と窓から写真を撮っても、そこから特定されることがあります。

個人特定リスクを下げたいなら、非本名+非顔出しだから安心と考えるのは早計です。くれぐれも気をつけてください。

名乗り続けられる名前かも重要

本名にせよビジネスネームにせよ、ライターを続ける限りその名前を名乗り続けなければいけません。

「本名や顔は出したくない。私は猫が好きだから、アイコンは猫で名前は『物書きにゃんこ』にしよう!」と決めたとして、営業や打ち合わせ、取材などの場でずっと「こんにちは、ライターの物書きにゃんこです」と名乗り続け、呼ばれ続けることになります。

もちろん、キャリアを積む過程で「やっぱり方針転換して、本名顔出しにしよう!」と変更もできますが、少なくとも名乗り続けられる名前かどうかも考えておきましょう。

ビジネスネームを決めたら検索する

本名にせよビジネスネームにせよ、どう名乗るかを決めたらまず名前を検索しておきましょう。同じ名前の人がいるかいないか、いた場合はどんな人かというのを見ておくといいと思います。

同じ名前のライターがいたら紛らわしいですよね。また、過去に炎上した人やあまり良くない評判の人と同じ名前だったら誤解を招きそうです。「これはちょっと困るかな」という結果が出てきたら、その名前はやめておいたほうがいいかもしれません。

本名であっても一度検索しておいたほうがいいかも

本名で活動する場合も一度自分の名前で検索し、同姓同名の人がいるか、いるならどのような人かを確認しておいたほうがいいでしょう。

ビジネスネーム同様に、同姓同名で誤解されそうな人やあまり良くない評判の人がいないかを確認しておきます。もしそこで、誤解されたらめんどくさそうな人が同姓同名にいるようであれば、本名ではなくビジネスネームの使用も視野に入れましょう。

私が本名×顔出しで活動している理由

私は本名×顔出しで活動していますが、これを決めた最も大きな理由は「当時のトレンド」でした。

私がライターになってSNS(Twitter)を始めた頃は、「フリーランスがSNSを使って情報発信を始める以上、本名×顔出しでないと信頼が得にくい」という考え方が主流でした。

また、当時所属していたコンテンツ制作会社も、所属ライター一覧ページを作るにあたり、本名×顔出しでないとNGという決まりがあったのです。

こういった事情により、本名×顔出し以外の選択肢はなかった感じですね。

もちろん、本名×顔出しするにあたっては、家族と話し合っています。ペンネームを作ることも考えましたが、ライターとしての名前とフィーの振込先口座の名義が違いすぎるとそれもそれで面倒では?と思い、本名に統一することに。そして、今に至るというわけです。

とはいえ、現在は非本名×非顔出しで活躍しているライターさんもたくさん、たくさんいらっしゃるので、そのあたりは神経質に考える必要はないかもしれません。

名前と顔出しをどうするかは、複数の視点から考よう

なんとなく「本名×顔出し」で仕事始めてしまった私が言っても説得力はないかもしれませんが、名前と顔出しをどうするかはいろんな視点から考えるべきです。

自分はどうありたいかを軸にいろんな点から考えて、納得いく選択をしてください。

About This Author

鶴原早恵子
京都在住フリーライター。SEO記事から取材・インタビュー記事まで作成。取材可能範囲は関西中心に、全国・リモートも対応いたします。鉄道・お出かけ系記事の場合は写真も自分で撮影可能。鉄道好きなのに乗り物酔い体質なのが悩みのタネ。

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