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取材ライターなら、インタビュー時の音声を録音しておくことはマスト。以前はICレコーダー一択でしたが、最近はICレコーダーのほかスマホのアプリなどでも録音できるようになってきました。
ツールが増えると「じゃあ、どれが一番いいんだろう?」と悩む人もいるでしょう。そこで今回は、ライター歴20年の私が紆余曲折の上たどり着いた一番やりやすい方法を紹介します。
今回のポイント
大前提は「リアルタイムで自動文字起こしができるもの」
どのようなツールでもいいのですが、「自動文字起こしができるもの」を選んでください。
取材音源の文字起こし、ゼロから手作業でやるとかなり時間がかかります。ですから中には、クラウドソーシングサービスなどを利用し外注するライターさんもいます。
しかし私は、極力自分で文字起こしをしたい派。なぜなら、文字起こしを通じ、改めて取材内容を思い出し、記事に盛り込む内容を検討できるからです。あと、自分のインタビューを振り返って反省したり、改善点を見つけることができたりもします。
そこで必要なのが「自動文字起こしができるツール」です。
自動文字起こしができるツールを使えば、インタビュー中に文字起こしができ、帰ってからすぐ振り返ることもできます。また、ゼロから文字起こしをしなくて済むので、省力化・時短化もできる。使わない手はありません。
自動文字起こしの精度も最近非常によくなっているので、本当にありがたいかぎりです。
リアルタイム文字起こしができるレコーダー「PLAUD」
愛用しているレコーダーは「PLAUD」。カード型で、MagSafe対応ケースに入れればスマートフォンにぴったり貼り付けられるため、屋外での取材時に重宝しています。
自動で文字起こしをしてくれる上に要約も作成してくれ、精度も割といい感じ。少々値段は張りますが、価値は十分あると思っています。
PLAUDで自動文字起こしをする場合は、専用アプリをスマートフォンにダウンロードし、Bluetoothするだけ。あとは本体で録音すればアプリが自動的に文字起こしをして、要約などまで作ってくれます。
文字起こしの精度は悪くありません。状況や置いている位置にもよりますが、屋内なら十二分、屋外での取材でも十分かなり助かるレベルの精度だと思います。
また、WEB版にログインしてPCから文字起こしファイルのダウンロードなどができるのもありがたい。外部音源のインポートもできます。
わたし流PLAUD活用方法
PLAUDが最も活躍するのは、屋外での取材です。
PLAUDだと片手で無理なくレコーダー(PLAUD)とスマートフォン、メモがすべて持てるんですね。ペンは「ピタン」を使えば完璧です。実際に手に持ってみました。
裏から見るとこんな感じです。
ピタンは、メモにはさんだホルダーにマグネットでくっつけられるので便利。これは全力でおすすめします。ひとつだけ難点を挙げるとすれば、マグネットがあまり協力でないのでバッグに入れていると外れていることがあることでしょうか。
野外の取材のときは、立ったまま録音しつつメモを取ることが多いので、片手で無理なく持てるというのはかなりポイント高いです。
PLAUDを使うメリット・デメリット
PLAUDを使うメリットは、以下の通りです。
- スマホアプリより音質がいいことがある。特に屋外では経験上アプリより聞き取りやすく録音できる
- 上記の通り非常にコンパクトで、容易にスマホと一緒に持てる
次に、デメリットは以下の通り
- 忘れる可能性がある
- コンパクトすぎてどこに置いたのか忘れることがある
- 充電切れの可能性がある
取材前日にしっかり準備や管理をしておけば済む話ですが、モノの管理が苦手な人は要注意かもしれません。
リアルタイム文字起こしができるアプリ「notta」
録音アプリではnottaを愛用しています。プレミアムプランに課金中。文字起こし精度もまずまずです。完璧とは言わないけれども、十二分という感じです。
nottaのいいところは、月間の利用可能時間が非常に長いこと。月1800分、30時間分の録音ができます。これだけあれば「今月ちょっと心もとないかも」となることはまずありません。
ライター仲間の話を聞いていると、無料でCLOVER Noteを使っている人も多いようですが、CLOVER Noteの無料プランは月300分、月5時間しか使えません。これだとちょっと心もとないので、私は使っていません。
ただし、逆に言うと、月に5時間も取材をしない場合であれば無料のCLOVER Noteで十分です。
ただ、CLOVER Noteは2024年11月からリニューアルするようなので、プランの金額によっては乗り換えを検討するかもしれません。
スマホアプリを使うメリット・デメリット
スマホアプリには以下のようなメリットがあります。
- スマホは常に身につけているので、忘れない
- スマホのバッテリー残量は常に気にしている上、モバイルバッテリーもだいたい携帯しているので、充電がなくなって焦ることがない
一方のデメリットは以下のようなことでしょうか。
- スマホを他の用事に使いたいとき(通話や写真撮影など)使えない
私はスマホを2台持ちしているので、サブ機のAndroidで録音するようにしています。これなら通話には使わないし、写真撮影もメイン機のiPhoneでできるので特に困ることはありません。
ICレコーダーとアプリの併用はマスト
「なるほど、では文字起こしができるレコーダーとアプリ、どっちがいいの?」と思った人もいるかもしれませんが、結論から言うと録音するときは、ICレコーダーとアプリを併用するのがマスト。
なぜなら、1台だけで録音していると、たまに、途中で録音に失敗していることがあるからです。
私自身、60分程度のインタビューの録音が、冒頭15分程度しか録音できていなかったということがありました。当時は幸い、細かくメモを取るスタイルで取材していたので、メモをもとに内容を再現してなんとか記事を書け、事なきを得ました。今はメモを取るより会話に集中するスタイルで取材するので、今、もし、こんなことが起きたら……と思うとゾッとします。
取材時には、「録音させていただきます」と声をかけて録音するのですが、そのとききちんとレコーダーやアプリが動いていることを目視で確認した上で、万一に備えて複数台で録音しておく。これが取材時の録音のコツです。
以前あるライターコミュニティでは、スマホ、ICレコーダー、さらにスマートウォッチでも録音しておくという人がいました。私はスマートウォッチを持っていないのでここまではしていませんが、こういうやり方もありだと思います。
録音ツールの自動文字起こし精度は?
PLAUDにしてもnottaにしても、他の自動文字起こしができるツールでもなんでも、気になるのが「精度」だと思います。
結論からいうと、正直PLAUDもnottaも完璧な文字起こしはできません。ただし、精度はそこそこ高いです。録音環境にもよりますが、場合によってはあまり手直しなくて済むこともあります。
メモ代わりに使うのであれば十二分でしょう。
ものによっては、自動文字起こしの原稿をそのままClaude3に読み込ませて記事のたたき台を作っても支障がないことも多いです。そのあたりは下記の記事に書きましたので、よければ参考にどうぞ。
こういうやり方でたたき台を作り、適宜必要なところだけ音源を聞き返し手直ししていけば、かなり手早く記事を作成できますよ。
インタビューから原稿を作る機会があるなら、自動文字起こしができる録音ツールを活用しよう
今回は、取材時に使っている録音ツールの話をしました。
録音ツールを使うなら、自動文字起こしができるツールを使うのは必須だと考えています。ライターの方はもちろん、社員インタビューなどを作成しなければいけない企業の広報の方などの参考になれば幸いです。