※記事中のリンクには広告リンクが含まれます
8月は比較的余裕があったのですが、9月に入りバタバタとお仕事の打診をいただきました。さらに、プライベートの予定もいろいろ入っています。
こうなると、1つ1つの案件を、以下に効率的に質を落とさず作成するかが問題になってきます。
そこで私の強い味方になってくれるのが、AI。今回は、AIを活用してインタビュー記事を作成する私の方法を紹介します。
今回のポイント
まずはインタビューが成功しないとどうしようもない
インタビュー内容のクオリティは、記事のクオリティを決定する大きな要因です。そして、インタビュー内容のクオリティは、事前の下調べとどのような質問をするかで決まります。
>> インタビュー記事の作成方法についてはこちらの記事でも解説しています
インタビュー前の下調べには生成AIは使いにくい
インタビュー前の下調べには、個人的には生成AIは使いにくいと感じています。
というのが、不正確な情報も多く盛り込まれるから。
下調べが不正確だとそのあとのプロセスもすべて不正確になるので、ここばっかりは自力ですることをおすすめします。
下調べでしておくべき項目は以下のとおりです。
- 取材相手の名前を検索してプロフィールを確認する
- 取材相手の業界情報を調べる
- 掲載媒体の読者層を確認し、どのような情報が求められているかを考える
質問事項を考えるときには生成AIが活用できる
続いて、インタビュー時にする質問を考えます。
下調べができたら、自ずとどのような質問をすればいいかが見えてくるはずです。ただし、慣れないうちはどのような質問をしたらいいかわからないこともあるでしょう。
その場合は、AIに質問案を出してもらうのもあり。
私はほぼ自分で考えますが、ときどきClaude3に「このようなメディアを読む人は、どのような情報を求めていると思いますか?」と質問し、読者のニーズを知る参考にすることがあります。自分が考えた質問事項を伝えた上で「ほかにどのような質問をすればいいと思いますか?」と尋ねることもあります。
このあたりは、生成AIを相談相手として活用するといいでしょう。
>> インタビュー時の質問票の作り方についてはこちらの記事でも解説しています
文字起こしはもはや、AIなしにはできない
取材が終わったら文字起こしをしなければいけません。文字起こしについては、自動でしてくれるAIなしには仕事はできないといっていいでしょう。
この記事でも書いたとおり、私はもはや「自動文字起こしをしてくれるツール」でしか取材の録音ができないレベル。
私はスマホアプリの「Notta」とICレコーダーの「PLAUD NOTE」を使っているという話をこの記事でしていますが、どちらも録音と同時に、自動的に文字起こしをしてくれます。
nottaもPLAUD NOTEも、自動的に内容のサマリーまで作ってくれます。これがかなりありがたい。内容によっては、文字起こしの精度が少々低くても、自動文字起こしのテキストと内容のサマリーを元にすれば、BGM代わりに録音を聞き直しながら原稿を作成できることがあるからです。
記事のたたき台を生成AIで作成
記事を作成するときは、私はClaude3を使っています。ChatGPTも悪くはないのですが、個人的にはClaude3が生成する文章のほうがしっくりくるように感じるからです。このあたりは個人の好みによるかもしれません。
ただし、このとき、「AIに記事を書いてもらおう」と思ってはいけません。
Claude3だと、かなり自然な日本を生成してくれます。しかし同時に、記述する内容が常に正確とは限らないし、「そういうことを言いたいんじゃない」と言いたくなるような結論を出してくることも少なくありません。
そのため、あくまでAIは「たたき台を作る」という意識で使ったほうがいいでしょう。
真っ白な画面を前にして文章を作るよりは、なんでもいいから適当な文章を出してもらって、それを手直ししつつ書いていく。そんな気持ちでいたほうがいいです。少なくとも私はそうしています。
気持ち的にも、ゼロから書き始めるよりは、どんなレベルでも元になる文章があったほうが気軽に書けるように思います。
プロンプトで気を付けていること
Claude3にたたき台を作ってもらうときは、以下の内容をプロンプトに入れるようにしています。
【前提条件】
・どのようなウェブサイトに掲載する文章か
・想定読者はどのような人か
・筆者は誰か
・文字数
・文章の目的
【記事の内容】
・テーマ
・大まかな構成
具体例
具体的な例を挙げるとこのような感じです。
【前提】
・あなたはフリーライターです
・自分のブログに書く文章を作成しようとしています
・読者は、クライアントやライターを探している人です
・文字数は5000字程度です。【内容】
・ライターのAI活用術
・「文字起こし」「文章作成」「校正」の3つのパートにわける
・それぞれに私のやり方を記述する。私のやり方は以下のとおり
(以下略)
みたいな感じですね。そして出力された文章を手直しするなどして、ブログの記事を作っていきます。
AIにたたき台を作ってもらうときのポイントは「文字数の指定」
AIにたたき台を作ってもらうときのポイントはいくつもありますが、私は「文字数の指定」に気を付けています。
というのが、生成AIってどうも文字数のカウントが苦手みたいなんですよね。なので、2,000字の記事が欲しいときに「2,000字」と文字数を指定すると、だいたい半分の1,000字程度しか文章が出てこないように思います。
こうなると、「あと倍程度文字数を増やさないといけないな」と思ってしまって少しモチベーションが下がってしまいます、私の場合。
そこで私は、いつも1.5~2倍程度多い文字数で指定するようにしています。これなら、まあ大幅に文字数が違うことは減るので、より気軽に手直しをしていけます。
誤字脱字やチェックは「文賢」なしには考えられない
ブログやnoteのような文章は、ざーっと書いて公開しておしまいにできますが、仕事の原稿はそうはいきません。納品前に、推敲や校正が必要です。
これもまた、AIなしにはもうできません。
私が使っているのは「文章作成アドバイスツール【文賢】」というサービスです。
文賢は、誤字脱字チェックや校正ができるツール。誤字脱字はもちろん、たとえば同じような文末が繰り返されていたり、表記に揺れがあったりするとそれも指摘してもらえます。
音声読み上げ機能があるため、読み上げてもらうことでさらに誤字脱字やおかしな文章に気づくこともできます。
また、AIアシスト機能を使って改善案や感想をもらうことも可能ですが……正直、これはClaude3にお願いしたほうがいいかな、という気もします。
もちろん、Claude3でも誤字脱字チェックや推敲・校正はできるのですが、個人的には文賢のほうがチェック項目が網羅的で(文末の繰り返しのチェックが代表的です)、より実用的だと感じています。
AIツールを使えば、仕事の速さも品質も上がる
今回は、私のAIツールの活用方法を紹介しました。
とはいえ、私はAIツールの使い方については全然へっぽこ。もっとバリバリ使いこなしている人もいらっしゃると思います。
ただ、こうやって振り返ると本当に、取材から文章作成、校正までライターの仕事のほぼすべてにAIは欠かせないツールになっているなと実感。これからも、もっと活用していきたいと思っています。
余談:取り扱う内容には注意が必要かも
気を付けておいたほうがいいのが守秘義務です。
今回は、「外部ライターである私が、公開を前提とした文章を作成する」というシチュエーションの話。これがたとえば「社内ライターが、社内情報を社内向けにまとめる」というシチュエーションになると、話は変わってくるかもしれません。
社内ライターの方などは、このような生成AIを利用される際は上司などのしかるべき方に確認しておくことをおすすめします。