「ライターを探しているけれども、どうやって探したらいいのかわからない。そう悩む社長さん、けっこういますよ」という話を耳にします。
確かに、情報発信が重視される昨今、会社のホームページの定期的な更新やブログ、SNSの投稿やメールマガジン、ホワイトペーパーや社内報など、業務として継続的にライティング、文章を書くことに迫られる会社は、規模の代償を問わず多いでしょう。
広報部があればいいのですが、中小企業の場合はまずありません。総務部が兼ねることもあるかもしれませんが、その場合は通常業務の合間に広報業務をしなければならないでしょう。そうなると場合によっては通常業務が圧迫されたり、そもそも通常業務に追われて広報業務まで手が回らないという可能性が出てきます。
このような事情から「文章作成を自社で作成するのではなく外部のライターに任せたい」と考える企業もあるでしょう。しかし、肝心の依頼方法がわからない……というお悩みが発生するというわけですね。
ということで今回は「ライターってどう探せばいいの?」とお悩みの社長さんや企業の方に、探し方をお伝えします。
>> ライターはどうやって仕事を探しているの?について知りたい場合はこちら
ライターを「自分から探す」方法4選
極力コストをかけずにライターを探す方法を紹介します。
1.SNSやGoogleで「ライター 地域名 条件」で検索する
まずは、SNSやGoogleで検索しましょう。
検索するときのポイントは「ライター」だけで検索しないことです。できれば最低でも「ライター 地域名」もしくはライターに求める条件を加えて「ライター 地域名 ホームページの文章作成」「ライター 地域名 SEO」「ライター 地域名 SNS投稿代行」などですね。
こうすることで、求めているライターのサイトやSNSアカウント、noteなどがピンポイントで見つけられる可能性が高まります。
この方法のメリットは、SNSの投稿文やブログを通じてライターの文章のテイストや人となりがわかりやすいことです。
特にwebメディアに寄稿しているライターの場合、公開されている記事には必ず編集の手が入っています。私の文章もそうです。そのため、編集が入らないその人の素の文章がどのような感じかは、ポートフォリオだけではわからないことが往々にしてあります。
しかし、SNSの投稿文やブログなどには編集の手が入っていません。そのため、その人の本当の文章レベルやテイストがわかりやすいのです。
2.ライター名鑑などのライターまとめサイトを活用する
Web上には、ライターの情報をまとめたサイトがいくつかあります。たとえば雑誌『ライターマガジン』がまとめている『ライター名鑑』。ライター名鑑はもともとは冊子なのですが、その内容についてはnoteでも無料公開されています。地域ごとにまとめられているので便利ですよ。
3.誰かに紹介してもらう
誰かに紹介してもらうのも方法のひとつ。実はライター業界、ある程度のスキルやキャリアを持つ人の間では、結構内輪でさまざまな紹介案件が飛び交っています。
たとえば同業者や取引先に、最近ホームページを作った、リニューアルした、ブログやSNSを定期的に更新しているといったところがあれば、その会社に聞いてみてはいかがでしょうか。
「最近、○○さんのところホームページ新しくしはりましたよね。文章ってどうしはりました?実はうち、こういう事情で文章を書いてくれる人を探しているんですが……」と相談してみれば、きっと何かしらの返事があるはずです。
これは個人的な経験なのですが、お付き合いのあるホームページ作成会社さんから、「この会社さんのブログ書いてもらえませんか?」と声をかけていただき、企業のブログ(コラム)を書くお仕事をいただいくことが定期的にあります。
ホームページ作成会社さんはライターとの付き合いもあるので、お付き合いや繋がりがあるなら、誰か紹介してもらえませんかとお願いするのも方法のひとつです。
4.クラウドソーシングサービスやスキルシェアサービスを利用する
クラウドソーシングサービスやスキルシェアサービスを利用するのも方法のひとつです。
スキルシェアと呼ばれるサービスは、自分の持っているスキルを提供してお金を稼ぐサービスです。従来は企業側(依頼者側)が「こういうことをしてくれる人いませんか?」と募集をかけるのが一般的でしたが、スキルシェアにおいては、フリーランス側(依頼者側)が「こういうことできますので、だれかお仕事させてくれませんか?」と仕事を探している、と考えるといいでしょう。
代表的なクラウドソーシング、スキルシェア
代表的なクラウドソーシングサービスといえば、ランサーズやクラウドワークスが挙げられますね。
代表的なスキルシェアサービスとして、ココナラが挙げられるでしょう。また、ランサーズには「パッケージ」と呼ばれるスキルマーケット(スキルシェア)コーナーがあります。
クラウドソーシングやスキルシェアでライターを探すときの注意点
クラウドソーシングサービスやスキルシェアサービスの中には、副業ライターも多くいます。
副業がダメというつもりは一切ありませんが、専業のライターを探したいなら、ライターのプロフィールをしっかり確認してから問い合わせるといいでしょう。あるいは、前述のように検索する、ライター名鑑を見る、紹介してもらうなどの方法で探すことをおすすめします。
ライターを「募集」する方法4選
ライターは探すだけでなく、募集するという方法もあります。
ただし、募集には時間がかかります。思ったように応募がこないことや、そもそもどうやってライターを選んだらいいかのノウハウがない場合もあるでしょう。
募集をするなら、時間をかけて、信頼できるパートナーをじっくり探すつもりでいたほうがいいですね。
1.SNSを活用する
積極的に募集するならSNSを活用するのもひとつの方法です。SNSに投稿すればいいので、方法としてはおそらくもっともイージーでしょう。
ただし、そもそもSNSを活用できるならライターを募集することもないと言われそうですが……
2.クラウドソーシングで募集する
クラウドソーシングサービスでは、ライターを探すだけでなくライターを募集することもできます。
募集をかけると応募がそれなりにくるので対応に手間がかかります。
3.コーポレートサイトで募集する
企業のサイトにライター(広報担当者)募集ページを作り、応募フォームを作るのも方法のひとつでしょう。
ただし、ただページを作っただけではおそらくあまり募集はきません。というのが、企業のサイトはあまりアクセス数が多くないものです。ライターがその見つけて、条件に合っていると感じて応募するまでには高いハードルがあるのではないでしょうか。
応募フォームなどを作ったら、SNSを使って告知すると集まりやすくなるでしょう。
4.転職サイトなどに募集広告を出す
転職サイトの求人広告は正社員以外の募集でも出せます。業務委託としてライター募集の広告を出し、じっくり待ちましょう。
ライターを探すときに考えておくべきこと
ライターを探すときには、業務内容と報酬について考えておいたほうがスムーズです。以下のような内容を明記した上で問い合わせると、ライターとの交渉がスムーズになります。
1.業務内容
まずは業務内容です。抑えておくべき内容は以下の3つです。
文章量
業務内容として、文章量は必ず考えておかなければいけまん。ブログを書く場合は1記事あたりの文字数ですね。ホームページの場合は、全体的なページ数でもかまいません。たとえば「社長に1時間程度インタビューしていただき、500字程度くらいにまとめてほしい」などでもいいので、だいたいの文章量を考えておくと、ライターは作業量を見積もりやすいので助かります。
文章作成以外に必要な作業
文章作成以外に必要な業務があれば、それもリストアップしておくといいでしょう。取材は必要なのか、必要な場合どれくらいの手間や時間がかかるのか、写真の撮影は必要か、必要でない場合は別途画像を素材サイトから選んだり、購入したり、加工したりする手間は必要かも考えておくといいと思います。これもやはり、ライターが作業量を見積もるときに必要な要素です。
スケジュール感
ブログ作成などの継続的な案件の場合は、更新頻度を決めておきましょう。月何回、週何回更新すればいいかを伝えてください。また、ホームページ作成のような単発業務の場合は、取材がいつごろで、いつごろまでに原稿が欲しいかも決めておくと、ライターもスケジュールが立てやすくなります。
2.報酬
一番むずかしいのが報酬でしょう。ライターは基本的に、業務内容を聞いて作業量を見積もり、その作業量と報酬のバランスが取れているかを考えています。
適正な報酬がいくらかは、案件によって異なります。相場がいくらかわからない場合は、たとえば「社員にこれだけの仕事をさせるなら、これくらいはかかるだろう」みたいな感覚を元に考えていいと思います。「週1回のブログ更新、アイデア出しから画像選定、最後にWordpressに入稿まで全部社員にさせた場合、特別手当として1本いくらくらいなら社員は引き受けてくれるかな」と考えるとわかりやすいでしょう。「予算の都合上これくらいしか出せない」でもかまいません。
また、相場がわからないからライターに見積もってほしいというのもありです。そしてもし見積もりが出たら、まずは金額そのものよりも「この作業内容でこの数字は妥当だろうか?」という視点で考えることをおすすめします。
ライターを選ぶときに気をつけるべきこと
ライターを選ぶときの留意点をいくつか紹介します。
得意分野
ライターにはそれぞれ得意分野があります。
私の場合、取材やビジネス系、観光・おでかけ系が比較的得意。ものづくり系もある程度対応できますが、あまり詳しくありません。一方で、美容や健康、医療、金融、経済、理系分野は苦手です。経営やマーケティングはまあまあ対応できるかな?
この得意分野がミスマッチしてしまったら、ライター、依頼主、双方にとって不幸でしかありません。自社のジャンルに得意分野がマッチしているかをまず確認しましょう。
スキル・資格
ライティングスキルはもちろんですが、CMS入稿までしてほしいならCMSが使えるか、写真撮影も依頼するならどの程度の写真スキルを持っているかを確認しておきましょう。
必要な場合は、所有資格を確認しておくのもおすすめ。特に金融や医療関係の案件は、資格を持っている人のほうが安心して依頼できます。
取材先によっては自動車を運転できる人のほうがいいなどの細かな条件もあると思います。このあたりも要確認。
文体(文章のクセ)
だいたいのライターは、どのような文体にも対応できます。
とはいえ、かっちりした文章が得意な人もいれば、優しい文章が得意な人もいるのが事実。中にはクセが強い文章を書く人もいます。ポートフォリオや過去の実績を見るなどして、文体を確認しておきましょう。
活動エリア
ウェブ上で完結する案件であればエリアは関係ありませんが、取材案件の場合はライターの活動エリアはかなり重要な要素です。
全国対応しているライターならいいのですが、交通費などのコストの問題もありますので、そこは予算も含めて検討してください。
また、これは私の経験なのですが「関西のライターさんを探していました」と言われて、和歌山県の結構山間地の取材を打診されたこともあります。「行けますが、京都からは少々行きにくい場所で、特急を利用しなければいけないため交通費もかさみます」とお返事したところ、交通費がネックとなり話は立ち消えました。
このようなこともありますので、活動エリアはしっかり確認しておくことをおすすめします。
ライターに依頼したあとも、丸投げは極力避けて
めでたくライターと出会えたとして、ひとつ気を付けていただきたいことがあります。
それは、ライターに丸投げをしないこと。
というのが、自社の商品・サービスはその会社の社員や担当者が一番よく知っています。自社・サービスにかける熱量なども社員や担当者が最も強く持っているでしょう。
広報業務には、この熱量が欠かせません。
定期的にライターに打ち合わせをして、その思いやどのようなメリットを訴求したいかを共有してください。対面でなくともかまいません。オンラインやリモートでいいので、定期的に打ち合わせをしてください。
打ち合わせをしてさまざまな情報を共有するとしないとでは、できあがる文章も変わってきます。
ひとつだけ例外を挙げるとすると、SEO目的のブログやコンテンツでしょう。このあたりはどのようなキーワードで上位表示を狙うのかを共有していただければ、あとはライター側で淡々と文章作成・更新していきます。私もこのように淡々と更新している企業ブログがいくつかあります。
ライターはたくさんいます!いい人と出会えますように
ライターの探し方はいろいろあります。検索や各種サービス、つてなどを活用して、条件に合ったライターと出会ってください。
ライターも、常にいい案件がないか探しています。私の場合、最近はご紹介でお仕事をいただくことも多いのですが、それでも新規のお問い合わせや応募でお仕事をいただくことはゼロではありません。
今回の記事を参考に、いいライターとのお付き合いが生まれることを願っています。