文章を書くのは難しい、という声をよく聞きますが、安心してください、プロのライターも毎回「文章を書くのは難しい」と頭を抱えています。プロでも頭を抱えるのです、いわんやノンプロをや。
とはいえ、ノンプロの人でも働いている以上「文章を書く」ということからは逃れられません。広報の方々はもちろん、営業や事務の方々、あるいは現場で作業を行う方々に至るまで、日々のメールや業務連絡のメッセージ、ときにはプレゼンの資料など、文章を書く機会は多々あります。
ということで、今回は「プロのライターが考える、文章を書くときに一番意識しておくべきポイントとその対処法」についてお話ししようと思います。
文章を書くときに一番意識すべきは「文章の目的」
まず考えるべきは「文章の目的」です。この目的さえわかっていれば、文章を書くのはそれほど難しくありません。
ただし、ひとつだけ間違えてはいけないことがあります。それは「文章を書く目的を考えてはけいない」ということです。
考えるべきは「読者の目的」
考えるべきは「読者はなぜこの文章を読むのか」という「読者の目的」です。「何を知りたくて/どんな状態になりたくてこの文章を読むのか」と言ってもいいでしょう。
メールマガジンや商品・サービス紹介ページなどの文章を考えるとわかりやすいでしょう。
これらの文章の目的は書き手から見ると「商品/サービスを購入してもらうこと」です。しかし、だからといってストレートに「商品/サービスを購入してください」と伝えても購入してもらえるとは限りません。
そこで必要なのは「では、読者は何を知りたくて/どんな状態になりたくてこの商品やサービスの説明を読むのだろう?」と考えることです。
そうなると「読者はその商品/サービスのよさを知りたい」「その商品/サービスを使ったら自分がどうなるか知りたい」「自分が抱えている悩みがその商品/サービスで解決できるか知りたい」だろうというのが想像つくでしょう。
あとは、その読者の「知りたい」に答える内容を書けばいいだけです。
客観と主観のバランスを取る
読者がなぜこの文章を読むのか考えて文章を書くとして、次に注意するのは客観と主観のバランスです。
たとえば、リネン100%の服を紹介する文章を書くとしましょう。
このとき必要なのは「リネン100%です」という客観的な事実と「リネン100%だからどうなのか」「どのようなメリットがあるのか」という主観的な紹介です。
つまり「リネン100%だから通気性がよく、暑い時期でも快適」「リネン100%だから風合いがよく、よりナチュラルな雰囲気で着こなせる」みたいな感じで客観と主観をバランスよく組み合わせるわけですね。
これがたとえば「リネン100%です」だけなら読者は「だから何?」となって、自分にどのようなメリットがあるのかがわかりません。
「暑い時期でも快適、風合いがいい、よりナチュラルな雰囲気で着こなせる」といった点を伝えるのもいいのですが、どうせなら説得力高めで伝えたいもの。
そこで「暑い時期でも快適」というメリットと、その理由である「リネン100%」を組み合わせて伝えると、納得感も高まり、読者の「この服のこういうことが知りたかった」「夏の暑い時期でも快適に着られる服が欲しい」などの「知りたい」に答える文章になるのです。
読者目線で情報を取捨選択し、読者の「読む目的」を叶える
文章を書くとき、特にセールスやマーケティング系の文章を書くときは、書きたいことや伝えたいことがたくさんあります。何を伝えたらいいのかわからなくなることもあるでしょう。
そんなときは「なぜ、読者はこの文章を読むのだろうか」という視点で考えてみてはいかがでしょうか。
そうすることで、きっとどのような情報を盛り込んだどのような文章を書いたらいいのかが見えてくるはずです。