緊急事態宣言が解除され、対面取材も再びできるようになった!……と思ったら、一部地域を中心に再びcovid-19感染者数がじわじわ上昇。なかなか予断を許さない状況が続いているなあと思っています。
コロナ禍で一般的になった取材方法に「オンライン取材」があります。遠隔地の方に電話やSkypeなどを使って取材したりクライアント様と面談したりなどの機会はよくあったのですが、これがさらに一般化してきたという感じですね。使われるツールも、電話やSkypeからzoomなどに変わってきています。
ただ、オンライン取材で一つ悩むのが、インタビューの音源の録音。
ということで、今回はこの「オンライン取材の音源録音」について少し話したく思います。
基本は、アプリの録音機能を使う
ZoomにしてもGoogleMeetにしても、アプリに録音・録画機能がついています。
基本はこの機能を使えばOK。詳しい使い方はアプリの公式サイトなどにあるのでそれを見てください。
この方法は便利な上に、常に画面上に録音中の表示が出ているので、きちんと録音できることが目でも確かめられるので私は大好きです。
Nottaでリアルタイム録音・文字起こしも便利
私が愛用している自動文字起こしアプリNotta。
これには、オンライン通話をリアルタイムで録音・文字起こししてくれる機能があります。何回か使ったことがありますが、これはかなり便利です。
ただし、オンライン通話をする場合、自分と相手のアカウントのほかにNottaのアカウントも通話に参加するという形式になるので、事前に「録音・文字起こし用のアプリのアカウントもオンライン会議に参加します」と参加者に伝えておく必要があるでしょう。伝えておかないと、他の参加者は「何これ?」とびっくりする可能性があります。
iPhoneの通話を録音するときはどうするか?
しかし、まれにあって困るのが「電話で取材をするとき」です。
私は仕事用の端末はiPhoneを使っているのですが、iPhoneには通話録音機能がありません。そこでアプリなどを使うことになるのですが、困るのが「万一に備えた複数録音ができないこと」です。
というのが、録音というのはまあだいたいはうまく録れるのですが、まれにうまく録れない、録音に失敗することがあるからです。
そのため、私は極力複数の機材で録音するようにしています。
しかし、通話録音にアプリを使うと、これができにくい。そこで私が使っている方法が、これです。
スピーカー通話を録音する
スピーカー通話にして、アプリとICレコーダーで録音する方法です。非常にシンプルな解決方法ですね。
ただし、スピーカー通話にすると通話品質が下がる可能性があるので、スピーカーに切り替える前に「念のため録音やメモをさせていただきながらお話を伺いたいので、スピーカー通話に切り替えます。音が聞き取りにくくなるかもしれませんがご了承ください」と一言添えます。
この方法だと、複数の機材で録音ができるので万一のミスがあってもリカバリできて安心です。
PLAUD NOTEを使う
もうひとつがPLAUD NOTEというICレコーダーを使うことです。
カード型のスリムなレコーダーで、スマートフォンに貼り付けることもできるのですが、これを使うと通話録音もできるんですね。さらにリアルタイムで文字起こしもしてくれるので効率的。非常に便利です。
PLAUD NOTEのメリットは、スピーカー通話にする必要がないので通話音質が下がるリスクを減らせること。普通の会話をしながら録音でき、リアルタイムで文字起こしができるので、電話取材が多い方にはかなりおすすめです。お値段がけっこうするのが玉に瑕ですが、それだけの値打ちは十分あるレコーダーだと思います。
そもそも、インタビュー取材に録音がなぜ必要なのか
最後に、そもそもなぜインタビュー取材時に録音をしておいたほうがいいのかという話を改めてしておきましょう。
実をいうと、インタビュー取材の録音を常に聞き返すとは限りません。しっかり聞き返して丁寧に文字起こししてそこから記事を書くこともありますが、ほぼ聞き返さずメモと記憶を元に記事を作成することもあります。
しかし、人の記憶というのはあいまいなもの。ほぼ聞き返すことはないだろうという取材でも、ときどき「あれ?これどうだったっけ?」と相手の正確な言葉を確認したいことがあります。また、細かな数字を再度きちんと音源で確認したいこともあります。
そのような確認のために、録音はしっかりとしておかなければいけません。
音源はいつまで保存すべき?
私は記事が公開されてからも数か月間は録音を消さないようにしています。
というのが、以前記事を公開したあとに、取材先に記事の内容について遠回しに変更を求められたことがあるんですね。あまり詳しくは言えませんが、ニュース性の高く、先方のチェックなく公開した記事です。
そこでメディアの担当者の方に連絡を取ったところ「録音残ってます?それなら何か言われても『あなたこうおっしゃってますよね』でいけるから大丈夫」と言われたことがありました。
一般的にインタビュー取材であれば、公開前に先方にご確認いただくことがほとんどです。しかし、ニュース性が高いなど先方のチェックなしに公開する場合は、しばらく音源を残しておいたほうがいいのかもしれないと思い、それ以来記事公開後しばらくは録音を保存するようにしています。
録音前にはひとこと断りを入れる
対面にしてもオンラインにしても、録音前にはひとこと「念のため、お話を録音させていただきますね」と相手に声をかけるのがマナーです。
会話の録音自体は違法性がないらしいのですが(このあたりはいろいろ検索すると出てくると思います)、やはり何の断りもなく録音されると、慣れない人は驚くでしょう。お互い気持ちよく話をするためにも、断りをいれるのは必須だと思います。
ちなみに、2つレコーダーを出すと「2つもですか!」とか「ライターさんはさすがにたくさん持っていらっしゃるんですね」と驚かれる方も多いです。そのようなときは「そうなんですよ。たまに失敗しちゃうことがあって」とか「実は、最近は録音と同時に文字起こししてくれる便利なアプリもあるんですよ」とか話すことでちょっとしたアイスブレイクになることもあって、助かります。