座談会の取材のポイント

座談会の取材のポイント

ライターの仕事をしていると、座談会の取材という案件がしばしば入ります。

座談会の取材は一対一のインタビューよりかなり難しいです。私も経験値が低いため、あまり自慢げに「こうすればいいんですよ」と言えることがありませんが、失敗談含めて気を付けていることをメモしておこうと思います。

座談会の取材が難しい理由

座談会の取材が難しい理由

座談会の取材が、一対一のインタビューよりなぜ難しいか。

それは、ついつい「一体複数のインタビュー」になりがちだからです。

座談会は基本、参加者同士でディスカッションしていただいてそれを聞くものなのですが、参加者同士でディスカッションしてもらうのがとても難しいんですね。

そもそも私が座談会を回す経験がまだ浅い上に、参加者の方々がとても真面目に「ライターさん(私)の質問に答えよう」「他の参加者を差し置いて話さないようにしよう」とごく自然に発言を譲り合っているというか、かしこまっているというか……

そのため、私の場合は結果として「○○について××さんはどう思いますか?」と、ひとつの質問に対して参加者に順番に聞いているという形になり、そしてそれを原稿にする時点で座談会風にする、という流れになりがちです。

おそらく唯一座談会らしい座談会の取材ができたと思うのは、あるミーティングの取材だと思います。これは完全に自分はオブザーバーで、参加者の方々のディスカッションを聞き、文字起こしして記事にまとめるという形でした。

なお、座談会こそ自動文字起こしができるレコーダーが役立ちます。今のところ発言者識別は完璧とまではいきませんが、それでもある程度は識別してくれるので助かります。

座談会の取材で気を付けていること

座談会の取材で気を付けていること

ということでなかなか難しい座談会の取材ですが、それでも気を付けていることがいくつかあります。

事前にテーマとざっくりした質問内容を共有

これは一対一のインタビューと同じです。基本ですね。どのような目的で、どのようなテーマで座談会をしてもらうか、座談会の内容はどのような媒体に掲載するかを伝えます。

もしあれば、掲載媒体を具体的にイメージできるものがあればそれを見せて「こういう雰囲気の媒体に掲載します」と伝えると相手にもわかりやすいと思います。

最初に自己紹介をしてもらう

自己紹介をしてもらう意味はいろいろあります。

  • メンバー同士を知ってもらう

あまり親しくない、互いをよく知らないメンバーが座談会に集まることがあります。このような場合は改めて自己紹介などをしてもらうようにしています。

  • 参加者の名前を再度把握する

自己紹介をしてもらうことで、参加者の名前と顔を再度把握します。私はとくに顔と名前を一致させて覚えるのがとても苦手なので、座っている位置と名前などをメモしておき、座談会の最中に時々チラっと確認しています。

  • 文字起こしに備え、声と名前を一致させておく

参加者の方がそれぞれ特徴ある声や話し方をしていらっしゃったらいいのですが、そうではない場合ももちろんあります。文字起こしのときに「この発言はどなたのだろう」と思ったときに、冒頭の自己紹介の部分を聞き直せば誰かわかりやすくなるのではと考えています。

ただ、今までこのような場合はあまりなかったので、どれだけ有効かどうかは自分でもちょっと疑問に思っています。

発言時間が公平になるように配慮

座談会の参加者の発言時間が極力公平になるように気をつけます。座談会の参加者がみなさんお話好きな方ならいいのですが、そうとはかぎりません。また、たとえば年齢が若い方、キャリアが浅い方などは発言を目上の方に譲りがちです。

せっかくの座談会なので、極力参加者の意見を伝えたいもの。なので、あまりお話をされていないなと思う方にはこちらから「○○さんはどう思いますか?」というように声をかけて、発言を促すようにしています。

いつも以上にメモを取るようにする

私は取材のときには話を聞くのに集中するためメモはほとんど取りません。

しかし、座談会のときには極力メモを取るようにしています。

これは先ほどの「自己紹介」にも通じるのですが、後で文字起こしをしたときに「この話をしていたのは誰か」で悩まないようにするためです。

ただ、あくまで「極力」なので実際は十分なメモを取れないことも多いですが……まあ、今のところはそれで困ったことはありません。

座談会の取材は難しいけど楽しい

とういことで、座談会の取材についてのメモでした。

座談会の取材は、がんばってリラックスした雰囲気を作っても、結局なんだかんだで一対複数のインタビューをしているような形になりがちです。それでも最終的に座談会っぽい雰囲気の内容と原稿にすることで今まで私は乗り切ってきました。もうちょっと、いや、かなりブラッシュアップが必要な種類の取材だと思いますが、こればっかりは経験を積んでいくしかないのだろうなあ……

About This Author

鶴原早恵子
京都在住フリーライター。SEO記事から取材・インタビュー記事まで作成。取材可能範囲は関西中心に、全国・リモートも対応いたします。鉄道・お出かけ系記事の場合は写真も自分で撮影可能。鉄道好きなのに乗り物酔い体質なのが悩みのタネ。

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