ライターの報酬の話になると、よく出るのが文字単価、つまり「1文字○円」という考え方が出てきます。
しかし私は、文字単価で考えるのはあまりよくないと考えています。
なぜなら、同じ文字数でも、内容によって負荷が異なるから。
今回は、私が見積もりを出すときに考えていることをざっくりとまとめておきます。ライターや、ライターに依頼しようと考えている方の参考になれば幸いです。
同じ文字数でも、作成にかかる負荷は異なる
もちろん、文字単価がよくないとはいいません。私も問い合わせを受けたときは、1記事の文字数をある程度は意識します。
しかし、機械的に「1文字○円だから、1記事×円」という計算はしません。なぜなら、同じ文字数の記事でも、案件によって負荷が異なるからです。
「5,000字の記事を1本」と言われても、その内容は異なります。ネタ探しからしなければいけないもの、取材が必要なもの、SEO記事なら目次から自分で作成しなければいけないものなど、さまざまです。
このようなときに、「文字単価2円だから、1万円で承ります」と考えてしまうと、あとから「これだけ負荷高いのに1万円か……」と思うことがしばしばあります。
だから、一律に文字単価だけを見てしまうのはよくないと思うのです。
案件を探すときも、作業負荷を考えるべし
ランサーズやクラウドワークスなどで案件を探していると、文字単価で報酬を提示している発注者が多くいます。
ほとんどの受注者は文字単価を気にしてしまいがちですが、こういうときも内容をよく読んで記事1本あたりいくらか考えて、記事作成の労力に見合っているか考えたほうがいいでしょう。
文字単価の時点から低すぎる発注者は論外です。
作業別に見積もりを出すとは?
とはいえ、文字単価は非常に明瞭。そのため、文字単価で考えたいのはわかります。
そのようなときは、作業別に見積もりを出すといいでしょう。
記事作成に必要な工程を洗い出す
作業別に見積もりを出す場合は、記事を作成するのに必要な工程を確認します。
たとえばSEO記事の場合、
・キーワード選定
・競合サイトの確認
・構成作成
・記事作成
・(必要に応じて)画像選定
などの工程があります。
このときに「5,000字の記事作成は、文字単価2円で1万円で承ります。別途、競合サイトの確認と構成の作成、画像選定を行うのでプラス1万円、合計2万円で承ります」と言うわけですね。
インタビュー取材の記事を書く場合は「記事作成は1万円、インタビュー取材が対面の場合はさらに1万円、オンライン取材でいい場合は5,000円」というように考えます。写真撮影の技術もプロレベルのライター、いわゆるカメライターであれば、写真撮影1枚あたりいくら、という見積もりも出すといいでしょう。
取材案件の場合、交通費をどうする?
取材案件の場合は交通費をどうするかという問題が出てきます。
私は、対面取材の見積もりに「交通費を含む。ただし、片道○円以上の場合は要相談」としています。そのほうがお互い請求のときなども楽でいいのではないでしょうか。このあたりは都度相談でいいと思います。
作業ごとに考えたほうが見積もりは明確になる
ということで、私が見積もりを出しているときに考えていることをつらつら書きました。
実際、問い合わせ時に「取材でいくら、記事作成でいくらか見積もりを出してください」と言われることも少なくないので、おそらくこのように作業ごとに見積もったほうがクライアントもわかりやすいのではないかと思います。
他のライターがどう見積もりを出しているのかわかりませんが、こういうやりかたもありますよという参考になれば幸いです。