5/22に備前長船刀剣博物館で行われた「お刀女子会」に参加してきました。お刀女子会というのはその名のとおり、日本刀が好き、日本刀に興味がある女性を対象とした集まりです。日本刀が好きな女性だけで集まって、刀を鑑賞したり、職人さんのお話をきいたりしましょう!というのがその趣旨。今回は特に、金工師さんと柄巻師さんがお話をされたり実演されたりするという、拵好きな私にとってはもう開催予告をきいたときからテンション上がりまくっている集まりでした。

しみじみと思ったのですが……職人さんというのは、本当にすごい。刀の拵なんかは、美術品でもあり、一種の実用品でもあるわけじゃないですか。だから、たとえば柄巻(日本刀の柄に紐を巻くこと)ひとつとっても、どんな色の紐を使ったらいいか、どんな巻き方をしたらいいかはその拵や趣味によって違うわけです。そして、こういう鞘に合わせるならこの色の紐を使ってこう巻いたらかっこいいんじゃないかと、注文主さんと相談しながら決めていくそうなんですね。

ちなみに柄巻の巻き方も、素人目から見ると同じように見えますが、実際はこんな感じに色々違いがあるそうです(写真)。とはいえ、この写真じゃ違いほとんどわかりませんよね。明るさの設定間違えてしまいました。ごめんなさい。クリックすると大きな画像が表示されると思うので、よければどうぞ(とはいえ、拡大しても今ひとつよくわからない感じ、です……)

こちらは柄巻師さんの実演の様子。かなり力を入れて巻くそうで、糸をひっかけている小指の色が変わることがある、というお話もされていました。

金工師さんは、たとえば鐔(つば)などの刀装具を作る方。鐔というのはとても装飾性が高く、使われているモチーフもさまざまです。その代表的なモチーフの意味をいくつか説明していただきました。

日本人というのは語呂合わせやゲン担ぎがかなり好きなのだそう。たとえば「葡萄(ぶどう)」は「武道」に通じるので縁起がいい。しかし、同時に実が「下に向かって」成るので「身が成り下がる」にも通じ、縁起が悪い。だから、葡萄の実を下から上に向けて描いた図柄が好まれるようになった、とか。また、江戸時代になると「蜂」と「鹿」を組み合わせた模様も出てくるが、これは「ほう(蜂)」「ろく(鹿)」で合わせて「ほうろく」つまり俸禄、お給料のことを示しているとか。へえ!なるほど!と思うことをいろいろ教えていただきました。これは今後、鐔などを鑑賞するときに役立ちそうです。

金工師さんの象嵌実演を拝見しました。とても細かい作業でびっくり。これは器用で目がいいひとでないとできませんね。

象嵌は、金属をはめ込む穴を、底のほうがやや広がるように彫るのだそうです。そうして金属を埋め込み叩くと、中で埋め込んだ金属が広がって外れにくくなるのだとか。すごいミクロの世界です。

象嵌の実演の後は、女子会を主催された漫画家のかまたきみこさんの書かれた絵を銅板に彫っていらっしゃいました。なかなか細かな少女漫画絵を、です。これにもびっくり。器用ですごい。

お刀女子会が終わったあと、帰りの電車まで少し時間があったので工房を見学していました。まずは研師さんの工房へ。ここで奉納刀研磨プロジェクトの奉納刀が研磨されていると聞いていたので、実物を見せていただきたかったのです(私も少し寄付しています)。研師さんのお話によると、波・月・山のように見える美しい刃文なのだそうで(目を凝らすとうっすら見えました)、この刀、また見に来たいなあ。

最後に、ちょうど公開鍛錬所で鍛錬をされていた方がいたので、そのお師匠さんらしき方に少しお話を伺いました。ここには、鍛錬所入ってすぐのところに1つ火床(ほど)があって、奥にも同じようなものが2つあるんですね。それで「あれも火床ですか?」とうかがったところ「そうです」と。どうして複数あるのかうかがったところ、火床も流派によって少しずつ形やふいごで吹き込んだ風を入れる場所が違ったりするから、とのお返事。当然、形や構造の違いで鉄の鍛錬の方法というかコツというか、そういうものも変わってくるのだそうです。だから、ベテランの刀鍛冶さんでも、新しい火床を使うときなどは慎重になるんだそうですよ。

今まで、刀身の特徴の見分け方などはどうも難しいなあと思っていたのですが、こういう違いなんかとリンクさせていくと、楽しく覚えることができそうです。

ということで、備前長船刀剣博物館をがっつり楽しんだ1日。帰りの電車の中では「さて次はいつ来よう?」と思っていました(笑)たぶん、夏になったら京都からなら青春18切符使えば安く日帰りできるはずだし!