最近、ものづくり、しかも日本国内でのものづくりに関わる仕事が続いています。

近年、ものづくりの現場というのはすっかりアジア諸国に移ってしまったように思われます。身の回りのものを見回せば、中国製、ベトナム製、ミャンマー製、韓国製などばかり。日本製は意識して探さないと、なかなか見つかりません。

なぜこんな状況になってしまったか……というのは、いまさら私がえらそうな顔をして言うまでもないことなので省略するとして、とにかく、日本製のものが珍しくなってきた、日本製がウリのひとつになってきたというのは、ちょっとさみしいような気がしていました。

そんな時代にもかかわらず、日本国内生産にこだわる人たちはまだまだたくさんいらっしゃいます。そんな方たちのお話は、どれもとても興味深いものでした。

印象的なのが、日本国内生産に感じるメリットに「コミュニケーション」がしばしば挙げられること。ものづくりというのは、単純に機械を動かしてものを作るというだけではありません。使いやすいもの、よりよいものを作るために何回も打ち合わせをし、試作品を見てあれこれディスカッションし、クオリティを上げていく必要があります。この過程においては、コミュニケーションがとても重要。だからこそ、言語の壁がなく、一堂に会してあれこれ話ができる距離にいることが大切なのだとか。

「仕様が決まり、設計図ができて、あとはこのとおりに作るだけ……という段階になれば、たしかに外国のほうが安価にできるかもしれない。でもきめ細やかに調整を加えつつ作り上げていくのであれば、日本国内でやったほうがかえってスムーズにいく。安価な市販品の服は海外工場で生産できるけれども、ビスポークでお客様とコミュニケーションを取りながら丁寧に作っていくような服は国内で職人が作ったほうがいいでしょう?」

そんな話を聞いた時、なるほど、たしかにそれなら国内生産のほうがメリットがある!と納得。同時に、ものづくりと聞くと工場での大量生産くらいしか想像できなかった自分を恥ずかしく思いました。

昔のように、なんでもかんでも日本で作るというのは現実的にはもう不可能でしょう。特にコモディティ化されたものは、より低コストで生産できる国に生産の場が移っていくのは当然。でも、顧客と密にコミュニケーションをとって作り上げていくものづくりは、まだまだこれからも日本国内に残っていくのでしょうね。

そんなものづくりの情報発信をお手伝いできて、うれしく思います。