先日、京都のH&Mに立ち寄ったときの話です。エスカレーターが面白い配置になっていることに気が付きました。

一般的に、エスカレーターって、たとえば上りエスカレーターを降りたらすぐ横にさらに上階へ行けるエスカレーターが配置されていますよね。こう配置されているため、客はスムーズに上の階へ、あるいは下の階へ移動できるようになっています。

でも、H&Mのエスカレーターは違ったんです。

1階から2階へエスカレーターで上がります。ところが、「上り」エスカレーターを降りてふと横を見ると、そこにあるのは「下り」エスカレーター。さらに上に行こうと思ったら、売り場をぐるっと回って反対側にある上りエスカレーターまで行かないといけないのです。

最初は「えっ、なんでこんな不便な配置にしているの?」と驚きました。

しかし、3階まで上がっていこうとして、ふと気がついたんです。

「これは、売り場を見せるための配置なんだ」と。

つまり、上りエスカレーターの横にまた上りエスカレーターがあれば、きっと私は2階の売り場など見ずに3階に上がっていったことでしょう。しかし、上りエスカレーターの横に下りエスカレーターを配置し、さらに上に行くためには売り場の中を突っ切っていかなければいけないのであれば、必然的に私は2階の売り場も見ることになります。

その意図にまんまと乗ってしまったのでしょうか、気づけば、私は3階を後回しにして2階の売り場をぶらぶら見ていました。

このような配置には、賛否両論あるでしょう。今回私は時間に余裕があったので特になにも思わなかったのですが、急いでいるときであれば「何この面倒な配置!」と不満に思っていたかもしれません。

しかし、そういう不満が出るであろうことはおそらく店側も承知のはずです。にもかかわらず、あえてこのような配置にしたことを、私は面白く感じました。

客の動線をあえて不便にする配置。ひょっとしたらこういう発想は、店舗以外にも使えることがあるかもしれませんね。