取材の段取りをまとめてみた

取材の段取りをまとめてみた

今回は、取材ライターである私が今までブログに残してきたノウハウ系記事をまとめておこうと思います。

取材企画を立てる

取材の段取り1 企画を立てる

まずは取材の企画を立てます。

企画は通らないことも多いのであまり偉そうなことは言えませんが、過去に通った企画は、だいたい以下のような特徴があるものです。

  • イベントなど時事性があるネタ
  • SNSで話題のネタ
  • SNS以外で(ドラマなどで)話題のネタ
  • ビジュアル的に「映える」ネタ
  • トリビア的なネタ

>> ネタ集め(情報収集)についてはこちらの記事でも書いています

季節の行事などの時事性があるネタ

まずは、季節の行事やニュースなどの時事性があるネタですね。いろいろ記事にしていますが、企画から自分でしたものの代表はこれかもしれません。2019年の夏なのでもうかなり前ですが。

もともとECサイトのメールマガジン担当者からライター人生を始めたので、このような時事性や、季節に合わせたネタを考えるのは結構好きです。好きなのと通るのは別問題ですが。

SNSで話題のネタ

メディアによっては、SNSでバズったネタを記事化することがよくあります。SNSの投稿をそのまま紹介することもあれば、追加で独自取材をして記事化するケースもあり。これも2019年の記事です。

ただし、このようなネタを見つけるには当然SNSのトレンドやバズに詳しくなければいけないので……私はあまりこの手のネタ探しはしませんでした。

SNS以外で(ドラマなどで)話題のネタ

これも定番のネタ。特にNHKの朝ドラや大河ドラマなどは注目度も高いので、通ることが多いです(メディアによります)。ドラマ好きな人はこういう方向で企画を考えるといいかもしれません。

2020年の記事。大河ドラマでは明智光秀が主人公の『麒麟がくる』をしていましたね。

ビジュアル的に「映える」ネタ

ビジュアル的に「映える」ネタも企画になります。これは私が「ぜったい映える!」と確信して企画した記事。

トリビア的なネタ

トリビア的なネタもまた、定番企画のひとつです。「そんなことがあったんですね」と担当者に言われたら、いわば「勝ち」です。

先方に取材を申し込むのはいつ?

取材記事の場合、先方に取材許可を得なければいけません。

私の経験上、できれば企画を作るのと同時に先方にコンタクトを取ったほうが後々スムーズです。

これは、企画は出したものの先方の許可が取れなかったとなったら大変だから。私は今のところ取材拒否をされたことはありませんが、グルメ系の取材をしているライターさんからはときどき取材拒否された話を聞くので、これはジャンルによるかもしれません。

取材許可を取ったものの企画が通らなかった場合は、メディアの担当者と話し合って企画内容を調整して記事化できることがあります。また、別のメディアに持ち込むこともできます。

>> 取材の許可を取る方法についてはこちら

取材の準備

企画が通ったら、準備を行います。この準備がどの程度できるかが取材の成否を決め、取材の成否が記事のクオリティを決めます。

……と、偉そうに言っていますが、ライター歴20年超えても事前準備は難しいことだらけです。また、時間が足りないことも少なくありません。代表的な方法を以下にまとめておきますので、参考になれば幸いです。

まずはリサーチ

取材の段取り2 リサーチ

インタビュー取材の場合は、インタビュイーの略歴等をチェック

インタビュー取材の場合は、インタビュイーの略歴をチェックします。具体的には名前で検索をかけて出てくる記事などをチェック。場合によっては図書館に行くこともあります。

同業他社もチェック

企業の取材の場合は、同業他社のサイトもチェックします。同業他社のサイトもチェックすることで、取材先企業の特長や強みなどを掴んでおきます。

実際にサービス・商品を利用する

余裕があるなら、そのサービスや商品を利用してみるのもいいと思います。

最近の記事なら、さくらインターネットの「さくマガ」で公開されたこの記事がそうですね。時間があったので、ジャンカラアプリをダウンロードして何回か使ってみました。少し本題からズレますが、このアプリ非常に使いやすいのでおすすめです。記事作成後も定期的に利用しています。

取材時に相手に確認したいことをリストアップ

取材前には確認したいことをリストアップ

リサーチ内容を元に、当日に相手に確認したいことをリストアップし、まとめます。

写真撮影もしなければいけないときは、どのようなカットが必要かもリストアップしておきましょう。

この2つをしっかりしておくと、抜け・漏れなく取材ができます。

当日の段取りを考える

リサーチができたら、当日の段取り(タイムスケジュール)を考えておきます。

取材日程を確定させる

相手と相談の上、いつ、どこで取材するかを確定させます。

日時が確定したら、交通機関は何を使うか、何時頃に家を出ればいいかなどをざっくり計画しておきます。特急列車や高速バスなど事前に予約が必要な交通機関を使う場合は、早割などがあるケースがあるので早めに予約しておきましょう。

質問票を作成し送付する

「相手に確認したいことリスト」を元に、質問票を作成し相手に送付します。

質問票を事前に送付する意味は、どのようなことを聞きたいのか事前に相手に伝えることで、当日余裕を持って対応してもらうためです。質問内容によっては、相手も事前に確認しなければいけないことがあるでしょうからね。

質問票は取材の1週間前をめどに送付するようにしています。

取材によっては質問票の作成・送付を行わないこともあります。報道公開取材などがそうですね。ただし、質問票を作成・送付しないだけで、当日担当者に確認したいことは自分用メモとしてリストアップしておき、囲み取材などで質問します。

当日の持ち物準備。充電も必ずチェック!

当日持って行くバッグに必要な持ち物を入れておきましょう。

特に気をつけておきたいのは、ICレコーダーとカメラのバッテリーチェックです。カメラのバッテリーは万一を考えて予備も忘れずに。

カメラについては、自分が写真を撮らないときも念のために持っていくライターもいるようです。ここはバッグの容量や重さなどと要相談ですね。私は持って行かないことも多いです。

>> ライターは普段バッグに何を入れているかについて詳しくはこちら

続いて、取材当日の話です。

>> 取材当日の服装について詳しくはこちら

取材当日

取材の段取り3 当日

取材先には早めに到着

言うまでもないですが、取材先には早めに到着します。私の場合、20~30分は早めに到着して近くで適当に時間を潰すことが多いです。場合によってはそれ以上の余裕を持って到着することも。

>> 取材当日どんな服装がいいのかについてはこちら

取材時には録音・メモを忘れずに

インタビュー取材のときは録音を、録音できないときはメモを取っておきましょう。これをしておかないと原稿作成のときに二進も三進も行かなくなります。

録音機材(アプリ)は自動文字起こしもできるものを選んでおくと取材後の文字起こしが非常に楽になります。

>> 自動文字起こしができる録音機材(アプリ)についてはこちら

写真を撮る場合は、必要カットを十分な枚数撮影しておく

写真が必要な場合、気をつけておきたいのは以下2点。

  • 必要なカットをきちんと抑えて撮る
  • とにかく枚数勝負。ポートレートであっても連写でたくさん撮る

事前に作っておいた必要カットのリストを元に、漏れがないように撮影します。また、インタビュイーの写真を撮るときは、たとえば会社のロゴ前で笑顔の写真を撮影するとしても、私の経験上連写したほうがいいです。特に複数人の写真を撮るときは必ず連写。「この人だけ目を閉じていて写真が使えない」みたいなカットになるのを避けるためです。

>> ライターの写真スキルについて詳しくはこちら

取材後

取材の段取り4 取材後の原稿作成

取材が終わったらいよいよ原稿作成です。文字起こし、原稿作成、先方チェック、写真の整理・現像、納品、その後の調整までがライターの仕事です。

文字起こし

録音の文字起こしをします。最近は自動文字起こしができるので便利になりました。ただ、まだまだ自動文字起こしだけでOKというレベルではありません。自分で録音を聞き直してより正確な文字起こしを作成します。

※内容によっては自動文字起こしだけで作成することもあります

原稿を作成する

以前は、自動文字起こしをプリントアウトして重要なポイントにラインを引いて、メモにまとめて構成を作ってから書く、という段取りで原稿を作成していました。

しかし今は、AIを活用してたたき台を作ることでかなり効率的に原稿を作成しています。ChatGPTなどが最初に話題になったときは、まだまだ精度が低く使いにくかったのですが、今はかなり精度が上がったように思います。たたき台に十二分なものができるようになりました。

>> AIを使った原稿作成方法について詳しくはこちら

先方チェック

作成した原稿を先方にチェックしてもらいます。

このチェックは、ライターから依頼することもあれば、メディアによっては編集部からしてもらうこともあり。どの経路でチェックを依頼するか、都度確認しておきましょう。

写真の整理・現像

写真も撮影した場合は、どの写真を使うか整理します。

私は写真をRAWファイルでも保存しているので、必要に応じて現像します。JPEG撮って出しでもOKかもしれませんが、私はRAWファイル現像するようにしています。

納品

原稿が完成したら納品です。

納品の方法はいくつかあります。主な方法は以下の通り。

  • メールに添付して送付
  • チャットツールで共有
  • Googleドキュメントなどで共有
  • 先方のWordpressなどのCMSに入稿

どの方法を使うかはメディアやクライアントによって異なるので、事前に要確認ですね。

取材の段取りは慣れれば大丈夫

今回は取材の段取りをまとめました。

こまかな段取りについては、案件やライターによっても異なります。慣れればイレギュラーなできごとが発生してもなんとか対応できるようになるものです。いや、対応できないと思うことも結構起きますが、それでもなんとかなります。

ということで、今回は私の段取りについてのまとめでした。この記事が取材ライターを目指す方の参考になれば幸いです。

About This Author

鶴原早恵子
京都在住フリーライター。SEO記事から取材・インタビュー記事まで作成。取材可能範囲は関西中心に、全国・リモートも対応いたします。鉄道・お出かけ系記事の場合は写真も自分で撮影可能。鉄道好きなのに乗り物酔い体質なのが悩みのタネ。

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